【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第19章 pure ☆
「…帰るか」
キスをされて放心状態のサラの頭をポンポンと撫でて運転席に乗ろうとすると、俺のジャケットの裾をサラがくいっと引っ張った。
「ん?」
「…帰りたくない。」
「え?」
「赤井さんと2人きりがいい」
「…はやく乗れ」
俺がそう言うと、サラはしゅんとして下を向きながら、大人しく助手席に座った。
ほら、お前はやっぱり馬鹿だ。
そんなこと言われて、俺があっさり帰るわけないだろ?
サラに行き先を告げず、車を走らせてついた場所はベルツリーホテル。
「え…赤井さん…」
「お前が帰りたくないって言ったんだろ?」
「そ、そうだけど、わたしラブホとかビジネスホテルとかで全然…」
「お前なぁ、マンハッタンのパレスに泊まっていた女をそんなところに連れて行けるわけないだろ」
負けたくないんだよ。
お前のことになると、俺の負けず嫌いに拍車がかかる。
フロントからキーを受け取り、サラの手を引いて入った部屋はラグジュアリールーム。
本当はスイートを取ろうと思ったが、今日は既に埋まっているらしく、少し不本意だが。
そんなことは知らず、サラは部屋の広さに驚き、夜景を見ようとカーテンを開けた。
「ベルツリーが見える!」
嬉しそうに俺を見て言うサラを、俺は後ろから抱きしめた。
「気に入ったか?」
「うん…というか、ごめんね…ワガママ言って…」
そう言ってサラは俺の頬に手を添えた。
「…痛い?怪我してる…」
「いや。全然」
その手を取って、指を絡めて、サラの額に自分の額をくっつけた。
上目遣いのサラの視線がすぐ近くで熱い。
「…シャワー、浴びてくるね」
ぎゅっと目をつぶってそう言うと、サラは足早にシャワー室へ入っていった。
いつも、サラを抱くきっかけは俺が作っていた気がする。
強引にサラの身体に触れたりして。
サラから、こんな風に誘ってくるのは思えば初めてか…?
シャワー浴びてくるってそう言うことだよな。
俺は疲れた脳をフル回転させて、サラがシャワーから出てくるまでずっとそのことばかり考えていた。