【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第3章 甘い罠 ☆
「それにしても、FBIと互角の射撃センスってすごいね。お姉さん。さすが、黒の組織と関係が深かった組織の女スパイだね」
今までの子どもらしい顔つきと違い、
ニヤリとメガネの奥から試すみたいな目でコナンくんはこちらを見た。
「な…どうして」
「赤井さんから聞いたんだよ。」
「待って、どういうこと…?あなた小学生でしょ?」
「江戸川コナン。探偵さ」
「…探偵って…」
「ま、お姉さんが只者じゃないって、赤井さんに聞いてなかったとしても、たぶん気づいてたけどね。」
そう言ってコナンくんはわたしの右手を取って、ほら。と言いながら続ける。
「このお姉さんの手。親指の皮が厚くなってたり、人差し指にトリガーに当たってできるタコもある。相当銃の訓練をしてる手だよね」
「あなた…一体何者なの?」
「心配しなくても、僕はお姉さんの味方だよ。よろしくね。」
そう言ってにこっと笑うと、コナンくんは小走りでみんなの群れに向かっていった。
まるで小学生とは思えない、洞察力と推理力…
そういえば、過去にジンが話していたことがあった。
組織が進めている研究の中で出来た試作品を、一度人体に使ったことがあると。
確かその人の名前は…
えーっと…
ダメだ。一度聞いただけだから、思い出せない。
けど、例の研究の試作品ってことは、この姿は本当の姿じゃないのかもしれない。
赤井さんがわたしのことを話したのも、そういうことなの…?
わからないことと、気づき始めたことの狭間にいながら、わたしは走ってくコナンくんの背中を見つめた。