【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第19章 pure ☆
バックミラーでわたしを眺めながら、赤井さんが言う。
「サラ、怪我はないか」
「無いわけないでしょ…
さっき鼻うったし、おでこも強打しました。」
いたた…と鼻を押さえながら、そのまま後部座席に座ろうとすると、赤井さんがわたしの手を引いた。
「見せてみろ」
「わっ…」
後部座席から無理矢理助手席に戻されると、運転席の赤井さんからわたしの方に手が伸びてくる。
赤井さんの手がわたしの頬に添えられ、もう片方の手でおでこに触れた。
触れられたところが熱くなり、ぴくっとわたしの身体が反応する。
「本当だ。こぶになっているな」
「痛い…」
ちょっと意地悪してやろうと思って、涙目でそう言ってみる。
「…悪かった。
帰ったら冷やしてやるから」
そう言って赤井さんは、わたしの左頬にキスをして、思わずわたしは左目を瞑る。
本当はそんなに痛くないの。
だけど、さっきみたいな無茶なことやってたらいつか本当に赤井さんの身が危険に晒されるよ…
赤井さんは完璧で、心配するところなんて無いと思っていたけど、目的のためなら手段を選ばないところが心配だと今自覚した。
自分を傷付ける選択でも、甘んじて受け入れてしまいそうだから。
「…それにしても、キュラソーが奪ったデータって何のデータなの?
公安とFBIがこんなに必死になるなんて」
「…お前は、何も心配しなくていいんだよ。…帰ろう」
そう言って赤井さんは、警察が到着する前に立ち去ろうと車を走らせた。