• テキストサイズ

【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第18章 Call my name




「わっ」


突然抱きしめられ、グラスを落としそうになったサラが驚いて声を上げた。


「どうしたの…?赤井さん」


まただ。また、赤井さんと呼んだ。
何だよ。あんなにあっさりあいつの下の名前を呼んでいたのに。


「サラ」

「なに?」


なに?じゃない。
俺はずっとお前のことをサラって呼んでいる。

こんな小さいことにこだわるような男じゃなかったのに、どうかしてる。俺は。

サラが口に運ぼうとする酒のグラスを取り上げ、俺の後ろにあるサイドチェストの上に置くと


「返してー!まだ飲む!」


と、サラは俺の方へ身体を寄せた。

近づいてきたサラの顎をクイッと上にあげると、俺は有無を言わさず唇を奪った。


「んっ…」


一度口付けて、離して、今度は舌をサラの口内に滑り込ませると、サラは吐息混じりの声で俺の名前を呼ぶ。


「んあっ…あか…い

「秀一」


サラが赤井さんと呼ぶのを遮って、俺は自分のファーストネームを言う。


「え…」

「秀一って呼んでくれ」


サラにキスをすると、あれこれ考えるのが馬鹿らしくなって、俺はサラの目を見てストレートにそう言った。


「…しゅ……〜〜〜〜ッ無理!!」

「あぁ?」


一瞬呼びそうなそぶりを見せたくせに、サラはその後顔を真っ赤にしてそっぽを向くから、俺は思わず口悪く聞き返す。


「無理だよ!
赤井さんを下の名前で呼ぶなんて無理!」

「…どうしてだよ」


そんなに、断固拒否されると俺はあからさまに不機嫌で傷ついた顔をしてしまう。
あいつの名前はあんなに簡単に呼んでいただろ?

そんな風に思っている俺をよそに、サラは俺の方をじっと見ながら言う。


「だって!ドキドキして、心臓がもたないよ…」

「…ちょっと、意味がわからないな」


サラの言っている意味がわからず、思わず首を傾げた。
ファーストネームを呼ぶのにドキドキも何もないだろ?
アメリカ育ちのくせに。


/ 1733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp