【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第18章 Call my name
だってこれ以上比護さんに近づいたら哀ちゃんに殺されそうなんだもん。
コナンくんの隣でメラメラと怒りに燃える哀ちゃんをコナンくんは まあまあ…と言いながら必死になだめている。
「そっか。JリーグのVIP席のチケットでもお礼に渡そうと思ってたんだけど」
比護さんがそう言うと、子どもたちは目の色を変えた。
コナンくんまでも身を乗り出して、比護さんに言う。
「VIP席って、試合後のサッカー選手と交流できる席だよね!?」
「えー!歩美あそこの席で見てみたーいって思ってたの」
「ああ。そうだよ。
ついでに渡そうと思ってるチケットは、その試合の次の日にサッカー選手と一緒にサッカーができるイベントの参加券もついてるんだ」
ま、待って。
比護さんはモデルなのに何でそんなにサッカー関連の権力あるの…
ただ一人わたしだけ話題についていけていない感じがしつつ、あのーと話に割って入ろうとすると、
コナンくんを始めとする子どもたちはクルっとこちらを向きながら目をキラキラさせて言う。
「連絡先ぐらいいーじゃん。教えたら」
「そうですよ!減るもんじゃありませんし」
「歩美、VIP席行ってみたーい」
「人の好意はありがたく受け取れって母ちゃん言ってたぞ」
4人が目をうるませてこっちを見てきて、その真逆に哀ちゃんはさっきからすごい目でこっちを睨み、沖矢さんはまだあの黒い笑顔を見せている。
ど、どうすればいいの…誰の気持ちを汲み取ればいいのよ!
数分悩んだ結果、これはもう数の勝利で子どもたちの希望を叶えてあげよう。とわたしは根負けしてスマホを取り出した。
「…まぁ、教えるだけなら」
「サンキュ。」
そう言って比護さんとLINEを交換した。
「じゃあ、雑誌ができるのは3ヶ月後ぐらいだから。
そのとき連絡するよ」
「あ、どうも…」
子どもたち4人は喜び、哀ちゃんは相変わらず怒り、沖矢さんはさっきまで笑顔だったのにその笑顔は消えていて、顔を見ても怒ってると分かる。
だってどうすればよかったのー!
わたしは自分の選択はどうすれば正解だったのか、そんな事を考えながらわたしはスマホに登録された比護さんのアカウントを眺めてた。