• テキストサイズ

【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第18章 Call my name




赤井side


ロケバスから出てきたサラは、普段は絶対しない格好をしていた。
そう言う格好も似合うんだな。と、ここにきて新しい発見だった。


そのままサラは、あの比護という男の撮影に付き合わされ、あろうことか、手を繋げと指示をされている。

2人が手を繋いだ瞬間、俺はふつふつと怒りを湧いてくるのを必死に我慢していた。

俺のサラに触れるな。
あっさり手を握りやがって。
そんな目でサラを見つめるな。
サラも、見つめられて笑い返してるんじゃない。

大人の余裕などとっくの昔に失っていて、すぐ横でボウヤが心配そうにこちらを見ている。


「あ、赤井さん大丈夫?」

「…ボウヤ。
 もしもの時は例のボールで俺を止めてくれ」

「いや、それはヤバすぎる…
 あー灰原もすっげえ機嫌悪そうだ」


そう言って灰原哀の方を見ると、彼女もサラのことを今にも殺しそうな目で睨んでいる。


「ま、サラさんは比護さんのことなんて目もくれてなさそうだから大丈夫だよ。
 比護さんがサッカー選手だってことにも気付いていないようだし」

「だと良いがな」


そう言ってサラの方を見ると、今度はお互い名前で呼び合えと指示をされ、
サラは平然と「隆佑?」とその男の目をじっと見ながら言った。

そしてその後、自分の名前を目を見つめ返されながら呼ばれると、途端に顔を赤くして
「照れますね」と言う。


俺は、何を見せられているんだ。


思えばサラは俺のことを一度も名前で呼んだことはない。
一ノ瀬タクミのことも「タクミ」と呼び捨てにしていたし、今も躊躇なく下の名前で男に呼びかけた。

8つも上だから気を使っているんだろうか。

俺は、下の名前で呼んでほしい。
そのほうが、ベタだが親密感を感じられるから。

かと言って、下の名前で呼んでくれ。と頼むのも変な話だ。

あの男のことを、隆佑と呼び捨てにするサラを見ながら、
俺はいかにサラに俺を下の名前で呼ばせる方法をずっと考えていた。




/ 1733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp