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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第18章 Call my name




ロケバスで着替えとメイクが完了した。

さすがデート特集だけあって、わたしが絶対に着ないだろう、花柄のワンピースに可愛いヒール、ミニバッグ。
髪も巻いてもらい、メイクも一層女の子らしいメイクだ。

ロケバスを出ると、子供達が向こうでおおー!と声を上げているのが見えた。

沖矢さんも、見てくれているのだろうか。
彼の表情を確認する余裕もないまま撮影スタッフに連れられ、比護さんの前に立った。


「ごめんな。また巻き込んだな」

「まあ、しょうがないです。
困ってたみたいだし。」


比護さんはよほど忙しい人のようで、ゆっくりと段取りも説明されないまま、撮影が早速スタートした。


「まあ気楽にやってよー!
じゃあまず手を繋ごう」

「え?!手!?」

「デート特集だからね。」


うろたえるわたしにカメラマンはさも当然。という顔をして指示をしてくる。


「ほんと、すんません。」


そう申し訳なさそうに言いながら比護さんはわたしの前に手を出した。

赤井さんと違う手の出し方に、わたしは思わず笑みが溢れた。

あの手の繋ぎ方が好きなんだよね。
そう思いながら比護さんの手を握ると、やっぱり赤井さんとは手の感覚がまるで違う。

手を繋いで何カットか撮っているとき、ふと思った。


「あ、比護さん。こっちこそすみません」

「ん?何が?」

「だって、本当ならモデルさんと撮影だったんでしょ?
それが、こんな一般人になっちゃった」


そう言うと比護さんは子供みたいに あははは と笑って、
わたしの頭にぽんっと手を置きながら言った。


「十分、可愛いよ」


子供扱いしてるな?そんなに歳変わらないでしょ?


「比護さんって歳いくつですか?」

「24だよ」

「え!わたしと一緒ー!歳上かと思った」

「なんだ?老けてるって言いたいのか?」

「あはは。違う違うー!」


なんだ、同い年か。
ちょっと緊張して損した。
なんとなく親近感が湧いて、だんだん敬語からタメ口まじりの話し方になっていく。


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