【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第17章 今度までには ☆
赤井さんが部屋から出て行った瞬間、わたしの目から涙がまた溢れた。
本当はすごく寂しい。
でも、赤井さんにはやるべき事があって、有希子さん達には有希子さん達の事情がある。
何ならここはわたしの家でも、赤井さんの家でもない。
イレギュラーなのはむしろわたしだ。
赤井さんはわたしのことが心配で仕方ないって顔をしてた。
強くならなきゃ…もっと。
どこにいても赤井さんに信じてもらえるように強くならなきゃ。
何も持っていないわたしにとって、赤井さんは眩しくて、自分の存在意義を赤井さんに触れられている時だけ唯一実感できる。
これじゃ、17の頃と何も変わってない。
ちゃんと、一人でやって行けたらわたしも自分に自信が持てるようになるのかもしれない。
胸を張って赤井さんの彼女だと言えるのかもしれない。
背中を追いかけるんじゃなくて、隣で並んで歩いていける?
わたしはベッドの中で、赤井さんの残り香を嗅ぎながら涙を拭った。
大丈夫、わたしたちは。
そうずっと心のなかで唱え続けた。