第17章 今度までには　☆

一週間後


ピンポーンピンポーン


「んー？なに…騒がしいな」


例によってお昼前まで眠っていたわたしは、けたたましいチャイムの音で目が覚めた。

お客さんかな。めずらしい。
それにしても鳴らし過ぎじゃない？

不審に思ったわたしは、ゆっくりと身体を起こし、パジャマのまま1階へと階段を降りた。
するとインターフォンの前で沖矢さんは何やら訪ねてきた人に話をしているようだ。

沖矢さんはわたしが降りてきたのを見ると、目配せで

「あっちに行ってろ」

と言う。


一体何があったの？と、気になっていると沖矢さんがインターフォン越しに訪問者たちに説明をしている。


「ですから私はこの家に居候させてもらっている者で息子さんとは全く面識がないんです」


息子・・・？
息子って確か、有希子さんが前に話していた、工藤新一・・・

確か蘭ちゃんの幼馴染で、今難事件の捜査中なんだよね？
わたしは気になってスマホを取り出し、ネットでエゴサーチをしてみると、工藤新一が修学旅行で事件を解決！！というニュースが超絶話題になってる。

なるほど・・これか・・。
工藤新一…どこかで聞いた気がするな…この名前。
誰から聞いたんだっけ。有希子さんから聞くもっともっと前に…


「困ったな。今日バイトか？」

「う、うん。お昼過ぎからのシフトだけど・・」

「この報道陣じゃ正面から出るのは難しいな。
裏口から出かけるようにしろ。」


まいったとため息を付きながら沖矢さんは言う。
確かに、四六時中この調子じゃ結構つらいな・・。

わたしがバイトから帰ったときには何とか静まってくれていればいいんだけど・・・

そう思いながらわたしはバイトの用意をして裏口からこっそり工藤邸を出た。