【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第17章 今度までには ☆
「お疲れさまです。」
道中、後ろから尾行されて無いかとか神経研ぎ澄まして、わたしはバイトに入る前からどっと疲れた状態で無事ポアロまで到着した。
げんなりとした顔をしているわたしを見て、安室さんが笑って言う。
「はは。無事出てこられたんですねぇ。
ネットじゃ大騒ぎだ。」
「笑い事じゃないですよ。
あれじゃ買い物に行くのも一苦労だし」
わたしもエプロンを締めながら、ホールに入る準備をする。
その直前、安室さんがわたしの肩を抱き寄せながら耳打ちをする。
「じゃあ、今夜は僕の家に泊まりますか?」
突然耳元で、あの甘い声が響いて、わたしは不覚にもドキッと心臓が鳴ったが
「泊まりません」
冷静にその肩をぽいっと外すと、安室さんはあははと笑いながらキッチンに立った。
結局、前のプールでの出来事から、何度かバイトで顔を合わせているけど変わらずこんな調子だ。
わたしのことを待ってるって言ってたけど、あんまり気にしないでいいのかな。
ていうか好きって言ったの、本当は冗談だったんじゃないの?とすら思う。
そのぐらい、特に変わりなく、いわゆる友達の関係が続いている。
そんなふうにじーっと安室さんを見ていると、コーヒーを淹れている安室さんは視線を手元に落としたまま言う。
「待ってますよ?いつでも」
「え!?」
わたしの脳内、透けてた??ってぐらい、今考えていたことをドンピシャで当てられてわたしは激しく動揺した。