【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第16章 花束 ☆
よく見ると、赤井さんの額にはじんわり汗が滲んでいて、花束の端には花屋さんのレシートが挟まってる。
いつも隙のない完璧な赤井さんが、わたしのために慌てて買ってきてくれたんだ。
花束を渡すなんて、そんなキャラじゃないくせに。
じわっと目に涙が浮かんで
「ふふっ」
と笑うと、赤井さんはそれを見て
「泣きたいのはこちらだ」
と、またため息をついた。
「ありがと。今日実は記念日だったのー!」
「もういい。俺が勝手に勘違いして…」
「わたしが赤井さんに出会ってもう随分経ったよね記念日。
それで買ってきてくれたんでしょ?」
花束を抱きしめながら笑ってそう言うと、赤井さんもつられてフッと笑みをこぼし、
「やはり、お前には一生敵わんな」
と言ってわたしを抱きしめた。