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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第15章 Time after time ☆




赤井side


「なっ…なにこれぇ…トロトロ…」


サラは目の前に出された抹茶のフレンチトーストを食べて、口元を押さえながら涙目になって感動している。
大袈裟だな。たかがフレンチトーストなのに。


「甘すぎないし、これなら赤井さんも食べられるかもよ?」


そう言って、フォークに少しだけ乗せて俺にあーんと持ってくるサラ。

だから、そういうのは俺のキャラじゃないんだよ。
心の中でそうツッコミながらも、サラがあまりにも嬉しそうに差し出してくるから、俺は少し迷った後、ぱくっとそれを食べた。


「おいしい?」

「…甘い」


どこが甘さ控えめだよ。十分甘い。
サラは少しだけしゅんとしながら


「これでもだめかー」


と、残りのフレンチトーストを口に運ぶ。


サラの好きなものを理解してやれないのが俺の一番の欠点だ。

サラと俺の味覚は正反対で、俺はコーヒーはブラックしか飲めない。
サラはたっぷりシュガーとミルクを入れないと飲めない。
甘いものに目がないサラと、甘いものがあまり好きではない俺。

ここまで違うか…というほど。

美味しそうに頬張るサラを見ながら、俺はコーヒーを啜った。


「そろそろ竹林の方へ行くか」


サラが食べ終わったのを確認してそう言うと、サラはうん!と言いながら会計伝票を持った。


「ここはわたしが出す!」

「駄目だ。貸せ」


俺はサラが持った伝票を秒殺で回収する。


「だって、昨日も全部赤井さんに出してもらったよ?」

「当たり前だろ。
俺の方がいくつ歳が上だと思ってるんだよ」

「…そうだけど、奢ってもらってばかりだと悪いよ…」


申し訳なさそうにこちらを見るサラ。
なんなら、サラの身の回りのものは全部俺が払ってもいいと思っているぐらいなのに、サラには伝わっていないらしい。


「お前には一円も出させたくないんだよ」


問答無用でそう言うと、サラが財布を出す前にレジでスピーディーに会計を済ませた。


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