【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第15章 Time after time ☆
少し眠ったらだいぶ楽になった。
失敗したなぁー。
赤井さんの前で潰れるのって初めてだ。
引かれていないかとても心配で、わたしは赤井さんが帰ってくるのを恐る恐る待った。
しばらくして、部屋のドアが開くと、赤井さんは一目散にわたしが眠るベッドに向かってきてくれた。
「水かポカリ、どっちにする?」
「ぽかり…」
そう言うと、赤井さんはキャップをひねり半分開けた状態で渡してくる。
どこまでも子供扱いなんだから。
それを受け取って喉に流し込むと、吐き気はだいぶマシになった。
「顔色、マシになったな。
明日もあるし、今日は早く寝ろよ」
そう言って赤井さんは、わたしの髪を撫でた後、水を冷蔵庫に入れようとその場から立ち上がった。
そのとき、赤井さんの浴衣から何かの紙がヒラッと落ちた。
「なにこれ…」
何か落としたよ。と赤井さんに声を掛けようとしたが、もう冷蔵庫の方へ行ってしまっていて、わたしはその紙を拾った。
電話してね マリカ
080-xxxx-xxxx
「…女の子の、連絡先?」
わたしは思わず声に出して言う。
え…誰の…?
どこでもらったのこれ…
紙を握りしめてぼーっと考えていると、赤井さんも寝る準備をして隣のベッドに入った。
一緒のベッドじゃないんだ。
そりゃツインなら別のベッドで寝るよね。
旅行だし、疲れてるだろうし。
だけど、わたしは赤井さんに抱きしめられて眠りたかった。
たったそれだけで、幸せなんだもん。