【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第15章 Time after time ☆
俺はそのことを思い出して、フッと笑った。
やっぱりな。他の女が入ってくる隙なんて、1ミリもなかった。
「ね、彼女が寝てからでいいから、わたしの部屋に来ない?
友人がもう1人いるんだけど、3人で朝までお酒でも飲もうよ」
そう言って誘惑するみたいに俺の腕にギュッとしがみつきながらそう言う女。
これ、サラに見られたら殺されるぞお前。
と、サラのことを思い出してまた笑みが溢れる。
こんな風に胸を擦り寄せられるより、サラがただ俺の名前を呼ぶだけの方が興奮する。滑稽だな。
「悪いが、俺の頭は彼女でいっぱいだ」
本日二度目の辛辣な言葉に、女のプライドは相当傷ついたらしいが負けじと俺に連絡先を書いた紙を渡してくる。
「これ。彼女に飽きたらいつでも連絡ちょうだい?」
そう言って無理矢理俺の浴衣の帯にそれを挟むと、女はべーっと舌を出して自分の部屋に帰っていった。
「いらないんだが」
そうは言っても個人情報を書いた紙をその辺に捨てるわけにも行かず、とりあえず部屋に持って帰って捨てようと、浴衣の袖のところに入れた。
さて。部屋に戻ってサラを介抱してやるか。
そう思って俺は足早に部屋に向かった。