【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第15章 Time after time ☆
「あ。あのお店ちょっと見てもいい?」
「ああ。」
産寧坂を歩いていると、お洒落なレモネードのお店の前を通った。
わたしはそのレモネードが飲みたくて、赤井さんに外で待ってもらい、テイクアウトを購入するため店内に入った。
赤井さんはアイスコーヒーがいいかな。
店員さんにレモネードとアイスコーヒーを注文すると、しばらくしてドリンクが提供され、わたしは店を出た。
そして店の前で待つ赤井さんの方を見ると、何やら着物を着た女の子2人組と話してる。
「あの、お一人なら一緒に観光しません?」
「あっ。もし良ければ電話番号聞いてもいいですか?」
だっだめ!慌てて赤井さんの方へ駆け寄ろうとしたとき
「悪いが、彼女と来ているんでね」
と赤井さんは容赦なく一蹴した。
女の子達はなーんだ。と言いながら諦めてどこかに行ってしまった。
終始それを見ていたわたしを、赤井さんが見つけて、わたしが持っているアイスコーヒーをヒョイっと持ち上げた。
「ブラック、ミルクもシュガーもなし。上出来だ」
わたしが心配する隙もないぐらい、赤井さんは真っ直ぐわたしを見ていてくれていて、嬉しくて涙が出そうだ。
飲み物を持っていない手で赤井さんと手を握ると、赤井さんはわたしの手を引いてくれる。
手を繋いで歩きながら、飲み物を飲んだ。
たったこれだけのことが、普段は出来ない。
はやく、全部解決して赤井さんと堂々と手を繋いで街を歩きたい。心底そう思う。
歩きながら、自分が飲んでいたカップのストローを赤井さんに向けて、
「レモネードも美味しいよ」
と言うと、赤井さんはわたしのドリンクを持つ手の方に顔を近づけ、そのまま自分の口へと運んだ。
「ん…酸っぱいな」
背の高い赤井さんが少し屈んでわたしと同じ目線に顔がくると、新鮮でわたしはじっと見つめた。
赤井さんのブラックコーヒーは、わたしにとっては苦くて飲めないのに赤井さんが飲んでいると妙に美味しそうに見える。
そしてただコーヒーを飲んでいるだけなのにどうしてそんなにかっこいいの…
完全に色ボケ彼女だ。わたし…
自分の今後が心配になりながら、次の目的地に向かって歩き出した。