第15章 Time after time ☆

悪い虫が付かないよう、手を繋いで中に入り、清水の舞台へ出ると遠くに京都の景色が見える。


「わー！！」


目を細めてその景色を見るサラの顔を見て、連れてきて良かったと思った。
サラは嬉しそうにパシャパシャと景色の写真を撮っている。

俺は思わず、そんなサラにスマホを向けてシャッターを切った。


「さ、次の場所に行くか」

「あ、待って。」

「ん？」

「あの、写真撮りたくて」

「なんだ。まだ撮り足りないのか。」

「そうじゃなくって、2人で…」


顔を赤くして、目を潤ませながらそう言うサラ。
俺は何も言わずにサラのスマホをひょいっと取り上げると、インカメラにしてサラの肩を抱き寄せた。


「あ。もうちょっと…」


そう言ってサラは後一歩、俺の方へ寄る。
頬と頬がくっつきそうな距離で俺は一瞬息をするのを忘れた。

シャッターを押して、ひどく後悔した。
サングラス越しでもわかる。俺はサラが好きでたまらないという顔をしている。

サラは全く気付いてない様子で、わーいと初めてのツーショットを喜ぶと、満足したようで


「次に行こー！」


と俺の手を引いた。
このマイペースさに振り回されてばかりな気がする。

でもそんな自分も嫌いじゃないなと最近思うようになってきた。