【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第15章 Time after time ☆
赤井side
もう結構歩いているのにサラは疲れたと一度も言わず、隣で楽しそうに笑っている。
俺も、サラと話しながら歩くのが楽しくて、スマホを歩数計を見てこんなに歩いたのかと驚いたほどだ。
「そろそろ昼飯でも食うか」
時計を見るともう12時を回っていて、俺はサラに提案した。
「そうだね。お腹すいた!
わたしお蕎麦が食べたいなー」
こんな風に自分の意思表示がはっきりしているところが、サラを好きな点の一つだ。
何が食べたい?と聞いて、なんでもいいーと言わないところ。余計な頭を使わなくていいから助かる。
通りがかった蕎麦屋に入ると、タバコに手を伸ばし一息つく俺を見ながらサラが笑う。
「何だ」
「ふふ。」
何かは言わず、ただ楽しそうに笑うサラ。
あまりそんな可愛い顔をされると、唇を奪いたくなる。
何とか不意をついて、キスできないか。と思っていると、俺とサラの間に割り込むように蕎麦が置かれた。
「ねぇ。この後どこいくんだっけ」
「南禅寺と永観堂。
どっちもちょうど紅葉が色づき始める頃だ」
「楽しみだね!」
サラはにこにこと笑って言う。
「楽しそうだな。」
「えっ。楽しいよ?」
当然だけど?という風に言うサラを見て、またフッと笑みが溢れる。
「赤井さんは、楽しい?」
「当たり前だ」
サラにかからないよう、タバコの煙を店の窓の外に向かって吐きながら言うと、サラはまた嬉しそうに笑った。
何個数えても飽きないな。その顔。
俺はそう思いながら、サラの楽しそうな顔をずっと見ていた。