第15章 Time after time ☆

赤井side


清水寺に着いた。平日と言うこともあり、観光客はそんなに多くはなかったが、やはりチケット売り場は少し混雑している。


「拝観券、買ってくるから待っていろ」

「はぁい」


サラを置いて拝観券を2人分買って戻ってくると、サラの前には2人の男が。

おいおい。いきなりかよ。
まあでもこうなるだろうなとはちょっと思っていた。

今日のサラは可愛すぎる。
少しゆったりした白いニットワンピースは膝丈より少し上で、すらっと伸びた脚にショートブーツ。袖は手の半分を覆って指がちょっと出ている。

髪は緩く巻いていて、メイクもいつもよりちゃんとしている。
360度どこから見ても可愛い。

俺がプレゼントしたネックレスが首元で光っていて、それがさらにサラの可愛さを際立たせていると自分で思う。


「1人で観光？」

「俺らと一緒に回んない？」

「あ、1人じゃないんで大丈夫です」


営業スマイルでそう言うサラに男が食い下がる。


「何？友達と来てるの？ならその子も一緒にどう？」


全く。たった3分間1人にしただけでこれだ。
俺はサラの方に近づくと、サラの肩を抱き寄せて言った。


「こいつは俺の連れだ。」

「あっ！チケット買えたー？」


男のことなんて気にも留めていないサラは、男達に睨みを効かせる俺に笑いかける。
それどころじゃないだろう。しっかりしてくれ。

男達はさすがに男付きの女に手を出す暇人ではなかったらしく、そそくさと向こうへ行った。


「お前なあ。ちゃんと 彼氏と来ていると言え」

「えっ…そう言っていいの？」

「当たり前だろう。」


頼むから自覚してくれ。そんな風に小言を言う俺を見ながら、サラは嬉しそうに笑った。

こっちは怒っているのに全然理解していないな。
悔しいが、それでも可愛いと思ってしまう。