【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第15章 Time after time ☆
ドキドキと鼓動する心臓がうるさくて、赤井さんに聞こえてしまわないかハラハラしながら、片道約2時間半で京都に到着した。
「うわぁ。ほんとに京都だ!」
新幹線から五重塔が見えて胸が躍った。
荷物は前日にホテルへ送っているから、このまま1日目の観光スタートだ。
楽しみだー!と浮かれていると、前を歩く赤井さんが後ろに手の平を向けた。
いつも沖矢さんが手を繋ぐときにやる仕草で、わたしは赤井さんの手を握った。
「…どうしよう。ときめいた。」
「馬鹿だな」
赤井さんとこんな風に手を繋いで外を歩くのは実は初めてだ。
いつも車の中で、滅多に外には出ないし、外に出かける時は基本的には沖矢さんだから。
手を繋ぐだけでこんなに嬉しいのに、2日間心臓もつのだろうか。
それに、道ゆく人みんな赤井さんを見ている気がする。
背が高いしスタイルいいもんなー。おまけにサングラスしてるから一瞬芸能人かと思っちゃう。
わたしは手を繋ぎながら赤井さんの腕にしがみつき、必死に彼女アピールをする。
「どうした?」
「みんな、赤井さんを見てる」
「お前を見てるんだよ」
「そんなわけないでしょ!
わたしのってすぐ分かるようにくっついておかないと」
どう考えても歩きづらいこの体勢なのに、赤井さんは何も言わずに手を引いてくれる。
好きだな…ものすごく。
きっとこの旅行は、一生の思い出になるに違いない。
そう思いながら、わたしは赤井さんにくっつきながら目的地まで歩いた。