【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第15章 Time after time ☆
「赤井さんって本当に気が利くというか、抜け目ないよね。」
「お前の考えていることくらいお見通しだ」
そう言って赤井さんはわたしにロックグラスを手渡した。
一緒に買い物に行った時に買ったロックグラスだ。
わたしはグラスに入ったお酒を飲みながら、赤井さんのベッドに座った。
タブレットでガイドブックを開くと、赤井さんの腕がわたしの肩に回される。
まるで自分のものみたいに当たり前にわたしを抱き寄せてくれるのがすごく嬉しかったりする。
赤井さんは、右手でわたしの髪を撫でながら、左手でグラスに口をつけた。
「1泊だから実質二日間だよね。どこ行こっかなあ」
そう言ってガイドブックを捲る。
とは言え、わたしは日本の教育を受けていないから、京都のお寺を見てもピンとこない。
観光地はそっちのけで、グルメのページばかり見てしまう。
「あっ。抹茶のパンケーキだって!
それにこのドリンク美味しそう…
ねぇ!とろとろわらび餅だって!
わたしわらび餅食べたことない!!」
かたや赤井さんはガイドブックなんて全然見ずに、わたしの髪を撫でながら頬にキスをして遊んでいる。
「ねぇ!真面目に考えてよ」
「お前が行きたいところにすればいい。
俺はどこでもいい」
「えぇー。」
わたしが、ぶーと口を尖らせると、赤井さんはフゥとため息をついて、わたしで遊ぶのをやめてタブレットを覗き込んだ。
不意に顔が近くなって、わたしの心臓が波打つ。
「京都と言えば、清水寺とか、嵐山とか。
宿が嵐山だから、1日目の昼は東山方面に行って、二日目は嵐山を回るか?」
「うん!へー。京都ってたくさんお寺があるのね。」
「そう言えばお前、アメリカ育ちって言っていたが、日本には全然来たことなかったのか?」
「あるよ。
けど全部任務だったから、観光に来たことはないんだ。
わたし、人生初の旅行なの!」
そう言って高鳴る気持ちを抑えられず、赤井さんにぎゅーっと抱きつくと、赤井さんははいはい。とまた髪を撫でてあしらう。
結局、プランはほとんど赤井さんが決めてくれて、わたしはただ隣で美味しそう!とか楽しそう!とか言ってるだけだった。