【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第14章 夢見る隙間 ☆
「や…ぁあっ…」
ドクッと私の心臓が軋んだ。
嫌よ…見たくない…せめて、ここから立ち去りたい。
そう思っても、足が石のように硬く動かなくて、ただ呆然と立ち尽くしながら2人が愛し合うのを見ている。
「お前の全部が見たい」
「もっと見せてくれ。お前の顔…」
「サラ…好きだ…」
秀の口から出てくる言葉は、初めて聞くものばかりで、サラちゃんの事が好きで仕方ないんだとわたしから見ても分かる。
「…四六時中、俺の目の届くところに縛っておけたらいいのにな。」
そう言って秀は、サラちゃんを大事そうに抱きしめて髪を撫でた。
わたしが欲しかった言葉も、秀の愛も両方手に入れているサラちゃんが羨ましくなる。
これ以上、惨めな自分になりたくなくて、わたしはゆっくりと部屋を離れて1階のリビングへと戻った。
キャメルはまだ眠ってる。呑気ね。
わたしは…このまま朝になって、あの2人のラブラブっぷりを目の当たりにするぐらいなら、今から徒歩で帰った方がいい。
そんなことを思って、帰り支度を始めた。