【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第14章 夢見る隙間 ☆
赤井side
魔がさしたと言えばそうだが、俺はここまで嫉妬深い男だったか。
とうとう現実に存在しないやつにまで、敵視するようになっていた。
サラの様子を見にサラの部屋に向かうと、相変わらずまだゲームに熱中していて、あろうことか
「ずっとそばにいてほしい」
なんて、いつも俺が言っているようなことをゲーム画面の相手に言われ、サラは嬉しそうにYESを選択しようとする。
「お前は、堂々と浮気か?」
そう言いながら、思わずカーソルを ごめんなさい に合わせてAボタンを押すと、どうやら告白は阻止できたようだ。
だが、その代償としてサラはものすごく怒っている。
泣き出すサラを見て、そんなに嫌だったのか?と少しショックを受けていると、サラは泣きながら勢いに任せて俺に、嫌い と言った。
その時、俺の身体から全部の力が抜けたような感覚がした。
なんだこれ…たかが、嫌いという言葉一つで、俺の頭も身体も使い物にならなくなるらしい。
サラを見ると、布団に潜ってしまっている。
頼むから、もう一度顔を見せてほしい。
そう思いながら、俺は観念してサラに謝った。
「悪かったよ」
サラを布団ごと抱きしめてそう言うと、サラはもぞ…と布団から顔を出した。
涙に濡れた瞳を指で拭いながら、
「俺のこと、嫌いか」
と聞くと、サラは俺の方をじっと見て、とても小さな声で言った。
「大好き…」
俺は今度はホッとして逆に力が入らなくなる。
本当に勘弁してくれ。
焦った…嫌いって言葉がこんなに胸を抉るなんて夢にも思わなかったから。