【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第14章 夢見る隙間 ☆
わたしは、布団から顔を出して赤井さんを見ると、ちょっと傷ついたような顔をしていた。
「…俺のこと、嫌いか?」
「……大好き…」
そう言うと、赤井さんはわたしの手を引っ張って起こした。
わたしの涙にキスをすると、ぎゅーっと抱きしめながら言う。
「焦った」
そんな風に、真面目に傷つかないでよ。
わたしの方がものすごく悪いことをしてしまった気分になる。
「…でも、赤井さんも悪いでしょ?
勝手にあんなこと…わたし楽しんでゲームやってたのに」
赤井さんの背中に腕を回しながらも、わたしは自分の罪の意識を少しでも軽くしようとする。
卑怯な女だ。
「何を言えば辞めてくれたんだ」
「え…」
赤井さんはわたしの頬に手を添えながら、じっと目を見て言う。
「他の男の名前を嬉しそうに呼ぶのが気に食わなかった」
そう言って、わたしの頬、耳、へとキスをしていく。
「名前を呼ばれて、大喜びしているのが、癇に障った」
「ん…っ…」
耳元でそんなこと言われながら、耳にキスをされると、思わずわたしから声が漏れる。
「…嫉妬したんだ。それぐらいわかってくれよ」
観念したようにそう言う赤井さんが愛しくて、わたしは思わず自分からキスをした。
赤井さんは、どこか安心したような顔をして、堰を切ったように自分の気持ちを吐き出す。
「嫌いなんて、冗談でも言うな」
「ん…ごめんなさい…」
「他の男に親しげに笑いかけたりするなよ…」
「…二次元でも?芸能人でも?サッカー選手でも?」
「全部嫌だ。」
そう言って赤井さんは、上から抱きしめていた身体を離すと、今度はわたしの胸に顔を埋めるようにわたしに抱きついてきた。
赤井さんはわたしが思ってた以上に甘えん坊だ。
見慣れない赤井さんの頭のてっぺんを撫で撫でと撫でると、赤井さんは顔を上げて下からわたしの唇を奪った。
「ん…っ…」
数秒口付けて離し、じっとこっちを見ながら言う。
「好きだ…俺だけのお前でいてくれ」
8つも上の、しかも赤井さんみたいに外では一つも気を緩ませないような男の人が、こんな風に甘えて、独占欲を真っ直ぐぶつけてくる。
可愛い…って思ってしまう。
「…はい」
そう言ってわたしはまた赤井さんにキスをした。