【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第14章 夢見る隙間 ☆
自分の部屋に戻ったわたしは、そこから3時間ぶっ通しでずっとゲームをしていた。
ふと時計を見るともう深夜1時を回っている。
けれどあと少しでエンディングが見れそうだ。
「うわぁ…あと1ヶ月で卒業じゃん…」
ルカくんとの儚い高校生活ももうすぐ終わりを迎えそうで、わたしは思わず涙ぐむ。
ルカくんはこのゲームのメインヒーローで、それはそれは濃いシナリオが用意されていた。
幼い頃、両親を事故で亡くしたと言う設定が自分と重なって、彼が寂しそうに笑うと胸が苦しくなった。
「ルカくん…わたしがいるからそんなこと言わないで…」
まるで現実にいる人みたいに共感しながら、わたしは残りのストーリーを進めていく。
そして卒業式、ルカくんとの思い出の場所に行くと、ルカくんが来てエンディングの告白が始まった。
「うわぁあ…やっと…やっと付き合うんだね…」
何だかんだ時間をかけてやって来ただけに感動してゲーム機を持つ手が震える。
[サラ…俺、オマエが好きだ。
ずっとそばにいて欲しい。これからも、ずっと]
ついに告白された…どうしよう。
めっちゃときめくんだけど!!?
ルカくんのそのセリフに、わたしは迷わず
「わたしも…」
を選択しようとしたとき、後ろから手が伸びてきた。
ゲームに集中していて全く気づかないうちに、誰かが部屋の中に入ってきたみたい。
「お前は、堂々と浮気か?」
そう言いながら、その声を主は「わたしも…」にあったカーソルを下に下ろし
わたしも・・・
▷ごめんなさい
を選択してAボタンを押した。
「え……ええええええええええええええーーー!!」
画面には、ルカくんの悲しそうな顔が写って
[そっか…残念だけど…うん。仕方ない]
そう言って最大の見せ場の告白イベントが終わってしまった。
嘘でしょ…?!!
フッた?!え、付き合えなかったの?!