【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第14章 夢見る隙間 ☆
何だあれは。
タブレットにしては小さいし、携帯ゲーム機か?
ゲームなんて全然しないくせに、余程面白いのだろうか。
ダイニングテーブルに座り、ロックグラスに酒を注ぎながらじーっとサラを観察していると、画面を見ながら 顔を赤くしたり、眉を顰めて悩んだ顔をしたり、ふふ…と笑みをこぼしたり、たまに耐えきれずに、好き…と言ったりしている。
何となくいつも俺に向けているのと同じ顔のような…
「秀!シューウ!聞いてる?」
「あ、あぁ。」
「もう!ジェイムズへの勤続祝いのプレゼント何にする?って話よ」
「無難にお酒でいいんじゃないですかねー。
それにしても、サラさん夢中ですね。
何のゲームだろう」
そうだ。俺もそれが気になる。
チラチラとサラを見ながらも、ロックグラスに入ったバーボンを飲むと、突然サラが立ち上がってきゃっきゃと嬉しそうに飛び跳ねた。
「うわぁぁあ!!
やっっとルカくんが名前で呼んでくれた!!!」
ルカくん?!?!
誰だそれ!
ゴホッと飲んでいたバーボンを気管に入れてむせながら、思わずサラの方をギッと見るとその様子を見てジョディが笑う。
「ふ・・・秀ってそんなに顔に出るタイプだったっけ?」
「やばい。死ぬ。呼び捨て破壊力やばいよ…ううぅうう」
そんな俺をよそに、サラはゲーム機を抱きしめながらソファーでゴロゴロと悶えている。
俺の様子がだんだんおかしいと気づいたキャメルは、俺が今一番聞いて欲しいことをサラに聞く。さすが、俺の部下だと思う。
「サラさん、何のゲームをやっているんですか?」
「あ、これね、園子ちゃんにモニター頼まれたの。
結構面白くてハマっちゃって。見てみる?」
そう言ってゲーム画面を見せにこちらに寄ってくる。
俺は、気にしていない風を装いながら見せてくる画面を凝視した。