第14章 夢見る隙間　☆

赤井side


ガチャリと玄関のドアを開くと、シーーンとしている。
電気はついているから、やっぱり寝ているのか。


「おじゃましますー」


キャメルとジョディを連れて、リビングに向かうと、眠っていると思っていたサラはソファーに座ったまま真剣な表情で手元の端末を凝視していた。


「サラ」

「……どうしよう…
デートの服が決まんない…
これは前回着たし…
これはセクシーすぎるし…」

「サラ？？」

「わっ！びっくりした！！」


まさか俺が帰ってきたことすら気付かないほど、何かに熱中していたようで、サラは驚いて声を上げた。


「ただいま。」

「おかえりー。あれ？」


俺の後ろにいる二人に気づいた様子のサラは首をかしげる。


「ああ、2人とこれからここで飲むから。」

「そうなの？帰り遅いと思って何も用意してないけど大丈夫？」

「問題ない。買ってきた」


そう言ってリビング横のダイニングテーブルにデパ地下で買ったものを広げると、ジョディが気を遣ってサラに話しかける。


「サラさんもよければ一緒に。
チーズケーキが好きだって聞いたから買ってきたの」

「わ。ありがとうございます！
ただ、今ちょっと手が離せなくて・・
後で美味しくいただきますね。
わたしのことはお構いなく！みなさんで楽しんで」


そう言いながらサラはソファーに座り、また手元の端末に視線を落とした。