第13章 ベイビー・アイラブユー　☆

わたしは生まれてすぐ、両親の仕事の都合でアメリカに移住した。

両親はどちらも日本人。
わたしも生粋の日本人の見た目だったから、たまに学校でいじめられたりもした。

家では日本語で話すから、英語の発音が下手で、なかなか友達もできなかった。

クラス全員から無視されるなんて日常茶飯事で、
わたしが泣いて帰ると、わたしのママはすぐに車で連れ出してくれた。

買い物したり、カフェでママとお話したりしてると、いじめっ子達の名前をいつの間にか忘れてた。
そんなママが世界で一番大好きだったの。


パパはあまり口数は多くなかったけど、ママのことが大好きなんだなって子供のわたしに伝わってくるぐらい、ママのことを愛してた。
もちろんわたしのことも。

両親は駆け落ち同然で結婚したから、親戚も祖父母もいなかったけど、2人が愛し合っているのはいつ見ても一目瞭然だったから、そんな両親が大好きだった。


両親はどちらもシステムエンジニアで、特段裕福でもなく、貧乏でもなく、至って普通の家庭だった。

欲しいもの全部買ってもらえる。そんなことは無かったけど、感謝祭にパンプキンパイを食べて、クリスマスは家族でターキーを焼く。


たったそれだけで幸せだった。