【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第13章 ベイビー・アイラブユー ☆
「大丈夫か?」
「え…」
「お前はすぐに無理をするからな」
「だい…じょうぶだよ」
どうして?わたし何も言ってないのに、気づいちゃうの?
思えば赤井さんはいつもそうだ。
わたしが何も話さなくても、こうやって安心させてくれる。
そんな彼に甘えて、自分のことを話さずに理解してもらおうなんて、傲慢だった。
この人は、初めてわたしの瞳の奥を覗いてくれた。
まっすぐに目を見て、好きだと言ってくれた。
何度も、何度も助けられたのに、また…
「助けて…」
気付いたらわたしから、涙とその言葉が溢れた。
そう伝えると、電話は切れて、数秒後にわたしの部屋のドアが開いた。
誰が来たかは見なくてもわかる。
赤井さんはわたしのベッドに腰掛けて、わたしの髪を撫でた。
「サラ…もう大丈夫だ。」
「…赤井さん…一緒に寝て欲しい。」
そう言うと、赤井さんはわたしのベッドの中に入り、腕枕をしてわたしをぎゅっと腕の中に閉じ込めた。
不思議。
さっきまであんなに怖かった雨の音が赤井さんの心臓の鼓動にかき消されてる。
心地よくて、安心する音。
ほんのり香るタバコの匂いも、ムスクの香りも、全部わたしの精神安定剤だ。
「わたし、雷怖いの。」
「前にも言っていたな」
「うん。前に、それ以上話そうとすると、赤井さんが無理して話さなくていいって抱きしめてくれたよね。
…わたし、あの頃から赤井さんのことが大好きなの…」
「そうか…」
赤井さんはそれでも何も聞かない。
そんな彼の優しさに甘えるのはもうやめないと。
自分から、ちゃんと話そう。
「わたし、赤井さんに話したいことがたくさんある。
…話しても良い?」
わたしがそう聞くと、赤井さんはわたしのおでこにキスをした。
「ああ。」
「あのね…」
そう言ってわたしは、自分の過去を語り始めた。
誰にも話したことのない、深い傷の話を。