第12章 BlueDaisy ♪

くそ…もう少しだったのに。

僕は心の中でチッと舌打ちをして、滑るスライダーでまたサラを抱きしめた。


「ちょ、ちょっと怖いね」


思った以上にスピードが出て、サラを抱きしめる僕の腕をぎゅっと掴むサラ。

可愛い。
君に怖いものなんてないと思っていたよ。

僕がサラの首筋に舌を這わせると、サラはまた身体をびくっと揺らして言う。


「やっあ…！やめて…」

「気が紛れて怖くないでしょう？」

「そう言う問題じゃない…！…あっ…」


怒るサラの太ももに手のひらを滑らせると、またサラから甘い声が漏れた。

僕は今日一日、よく我慢した方だと思う。
そのまま、太ももの付け根まで手のひらで撫でてスライドさせ、黒い水着まで到達しようとしたその時


バシャーーーン


スライダーは終着点を迎え、プールの中に思いっきり身体を投げ出された。
鼻に思いっきり水が入って、僕のさっきまでの猛った欲望は、みるみるうちに萎んでいく。

…プールはダメだな。やっぱり。

反省点として、事を運ぶのに障害が多すぎる。
僕はゴホゴホと鼻に入った水を外に出しながらプールから上がると、サラも隣で、同じようにゴホゴホと水を出していて、2人で顔を見合わせて笑った。

まあいいか。今日が最後ってわけじゃないし。
また口実をつけて誘えばいい。
僕は自分が思ってる以上に諦めの悪い男みたいだ。