第12章 BlueDaisy ♪

「じゃあ、わたし着替えてくるね。」


なかなかわたしを離してくれない沖矢さんから無理矢理離れて更衣室に入ると、歩美ちゃんが着替え終わっていた。


「サラお姉さん！水着買ったのー？」

「うん。なんとかね。」


そう言いながら、わたしは着ていた服をバッと脱いだ。
歩美ちゃんは羨ましそうにわたしの身体を見る。


「いいなぁ。お姉さん、お胸おっきい！」

「歩美ちゃんまだ小学生でしょ？」

「歩美もそのぐらい大きくなるかなぁ。」

「なるなる。」


まだ小学1年生なのに、そんなこと心配してどうすんの。
そう心の中でツッコミを入れながらわたしは水着に着替え終わった。


「ほら、迷子にならないように行こう」


両手にそれぞれ歩美ちゃんと手を繋いで、わたしは更衣室を出た。


「サラお姉さんは昴さんと安室のお兄さん、どっちが好きなの？」

「えっ！？」

「わたし、コナンくんのことが好きなんだけど、コナンくんは蘭お姉さんが好きみたいなの」


そう言ってしゅんと下を向く歩美ちゃん。

コナンくん、蘭ちゃんが好きなの？可愛いな。
そうは思うけど歩美ちゃんの立場になったらせつないね。

たかが小学生の恋愛なのに、わたしは割と真面目に歩美ちゃんの話を聞いた。


「コナンくんといると、心臓がドキドキしてきゅーんってなるの」

「わ、わかる…わたしもあか…沖矢さんといるとドキドキして死にそうになるよ」

「ほんとー？じゃあ、やっぱり本命は昴さんなんだねー」


わたし、小学生に何言ってんだろう。
そう思ったけど、歩美ちゃんの恋バナに妙に共感してしまう。

歩美ちゃんと手を繋いでプールサイドを歩きながら、わたしはみんなの姿をキョロキョロ探していた。