【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第12章 BlueDaisy ♪
温水プールへは車で1時間ほどだった。
配車は子供達が謎の空気を読み、わたしと安室さんはRX-7で。
子供達と沖矢さんはスバルに乗り込むことになった。
信号待ちで車が停車したとき、安室さんがわたしに笑いかけた。
「今日はデートだったのに残念でしたね」
「まあ、大勢のほうが楽しくていいじゃない」
「そうあからさまにホッとされると傷付くなあ」
安室さんの言葉は冗談か本気なのかわからなくなる。
どう返したらいいか困惑していると、運転席から手が伸びてきて、安室さんがわたしの頬を撫でながら安室さんの方に向かせた。
「ちょ…またそうやってからかってる!」
「からかっていませんよ。
あの返事、考えてきてくれましたか?」
「返事…?そ、そんなの」
「駄目。YES以外言わせません」
そんなの決まってる。わたしは沖矢さんが好きだから。
そう言おうとしたのを安室さんは未然に防ぎ、信号待ちを良いことに、わたしの顔に徐々に近づいてくる。
「待って」
「デートにキスは付き物ですよ」
後数センチで唇が重なるその瞬間信号は青になり、後ろの車からクラクションが鳴らされた。
パーーーー!
「…またですか。この展開」
「??!」
「まあ良いです。今日はまだまだ長いですから」
そう言ってウインクすると、安室さんは車を発進させた。
これは前途多難だ…
赤井さんの車が前を走っていて良かった…
どうか今の、赤井さんに見られていませんように。
いるはずもない神様にそんなこと願いながら、安室さんにこれ以上触られないよう警戒しながらのドライブとなった。