【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第11章 NORA☆ ♪
赤井side
流石。
またボウヤの読み通りか。
一度心の中で感心した俺は、俺が乗っていることに全く気づいていない運転席の2人に話しかけた。
「キャメル。屋根を開けろ」
「えっ…」
「開けるんだ。キャメル」
声の主が俺だと理解する前に、大人しく屋根を開けるキャメル。
きっと俺に指示されるのが習慣的に身に付いているんだろう。
久しぶりに顔を合わせた2人は、こちらを見ながら涙目になって俺の名前を呼んだ。
まあ、死んだと思っていただろうから当然といえば当然だが。
「秀!」
「あかいしゃん…」
感動の再会となったわけだが、俺はトランクの中に入れたサラのことをはっと思い出した。
「あ。すまんがキャメル、トランクも開けてやってくれ」
「?開けてやる…?りょ、了解です」
どう言う意味かわからないまま、キャメルはトランクを運転席から開けると、トランクの蓋が少しだけ開き、その瞬間中から勢いよく何かが飛び出した。
飛び出した奴は、無造作に走行する車のトランクから起用に身を翻すと、トランクの上に乗り、自分の体重で蓋を閉めた。
「赤井さん!!!
いくら怒ってるからって、閉じ込めるなんてひどいじゃない!」
可愛い顔をして怒りながら俺に掴みかかる飼い猫を、俺は宥めながら後部座席に引っ張って抱き寄せた。
「わかったわかった。
とりあえずお前、危ないからこっちに来い。」
「そりゃ、うっかり安室さんとこでバイトすることになって、うっかり日曜日デートすることになったのは100%わたしが悪いけど!」
サラが何気なく言った一言にひっかかり、俺はサラの目をじっと見て聞く。
「ちょっと待て。日曜日はデートって認識なのか?」
「えっ。デートじゃないのかな?」
「俺は、一緒に出かけることになったとしか聞いてない」
「だからそれってデートでしょ?」
「お前がそう言う気持ちで行くのか?と聞いているんだ」