【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第11章 NORA☆ ♪
「で?まんまとそこでバイトをすることになったのか?
黒の組織のバーボンが働くそのカフェで」
工藤邸
赤井さんが座るリビングのソファーの前で、わたしは正座をさせられている。
目の前には頬に怒りマークを付けた赤井さんが腕を組んでわたしを見下ろしている。
「はい…おっしゃる通りです」
「それどころか、今週の日曜日、一緒に出かけることになっただと?」
「返す言葉もございません…」
「頭が痛いぜ…」
「ご、ごめんなさいー!」
呆れて物も言えない。と言う風に、頭を押さえてため息をつく赤井さんに泣きついて謝ると、赤井さんは仕方ないとわたしの頭をぽんぽんしながら言う。
こんな風に、怒っていても結局なんだかんだ許してくれるんだ。
赤井さんは意外と甘い。
「まあいい。その話は一旦置いておこう。
お前に、頼みがある」
「はい!なんでもします!何?」
コロッと態度を変えて赤井さんに擦り寄ると、赤井さんは意味ありげに微笑みながら言った。
「俺と一緒に来い。…カーチェイスだ」
「は?」
え?どう言うこと?と質問する隙を与えず、赤井さんはわたしの手を取って工藤邸を出た。
カーチェイス?なんで??
というか、沖矢さんに変装しなくて大丈夫なの…?
困惑しながら赤井さんが運転する車の助手席に座った。
しばらくして着いたのはとある駐車場。
赤井さんの車から降りると、手を引かれてまた別の車の前に連れて行かれた。
そこに停めてある外車のトランクを開けると
「乗れ」
と指を刺す。
「え?ここ?」
「このトランクが開くまで、声を立てるんじゃ無いぞ」
「わかったけど…」
わたしは大人しくトランクの中に入り、赤井さんがトランクの蓋を閉めた。
その時わたしは気づく。
きっとポアロでバイトすることになったのと、日曜日に安室さんと出かけることになったこと怒ってるんだ…!
それで反省しろって意味でトランクに閉じ込めたんだ!!!
ひどいー!と憤っていると、あろうことが車のエンジンがかかった。
「なに?!どこいくの?!」
そんなわたしの声は運転席に届くはずもなく、車はわたしを乗せたまま容赦なく走り出した。