【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第10章 first love ☆
「…っていうか、何でここにいるの?」
「…席に、戻らなくていいんですか?」
「あ!今はぐらかしたでしょ?」
突然沖矢さん口調になった彼にそう言って詰め寄ると、席の方から蘭ちゃんの大声が聞こえてきた。
「何すんのよ!!」
わたしは沖矢さんと目を見合わせて、慌てて席の方戻ると、コナンくんが顔を赤く腫らしていた。
「どうしたの?」
「このガキが、突然!」
「あんたが蘭の肩を抱いたりしたからでしょ?!」
園子ちゃんが蘭ちゃんの後ろに隠れながら男の方を指さす。
「なんだとぉ?!」
「お、お客様!揉め事は困ります!」
慌てて店員さんが止めに入ると、男達は椅子を蹴飛ばし、
「あーあ。もう白けたぜ。帰る」
「そうだな。帰ろうぜ」
そう言って、お金を一銭も払わず帰って行った。
「な、なによあいつら!!」
「コナンくん、大丈夫?」
園子ちゃんが怒り狂う隣で、コナンくんを心配する蘭ちゃん。
わたしはさっきの怒りがふつふつと湧いてきた。
散々わたしたちのことを馬鹿にした挙げ句、コナンくんに手を上げるなんて。
「あの人たちに、返してもらわないといけないものあるから。」
そう言い残すと、わたしは沖矢さんの静止を無視して店を飛び出し男達を追った。
全力で走って追いかけたら、男達がぶらぶら歩いているのにすぐ追いついた。
男達に声をかけようとしたとき、男たちの会話が聞こえてくる。
「今日もタダ飯ー!」
「ま、ヤレなかったのは残念だけど、よしとすっかー」
こいつら、いつもこんなことしてるの?
女の敵すぎる。
さらに沸々と怒りが湧いてくるのを必死に押さえ、1人の男の肩に後ろからポンと手を置いた。
「あ?…なんだ。さっきの。」
「お金、払ってもらってないけど」
「はあ?何言ってんの」
「せめて割り勘でしょ?4人分の3万円」
わたしはにこりと微笑んで手を出すが、男達は笑って取り合ってくれない。
「あー。じゃあそのお金で君を買わせてくれる?」
「4人を相手してよ。
満足させられる自信はあるよ?」
「…わかった。じゃあ人気のないとこ行こっか」
わたしの言葉を聞いてニヤニヤする男達を、わたしは暗い路地裏に連れてきた。