【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第83章 最終話 You belong with me ☆
申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらも、俺は自宅の玄関前に立ちゆっくりとドアを開けた。
「ただいま」
そう声をかけてみたが、サラから返事はない。
流石に怒っているのだろうか。
そう思いながらLDKのドアを開けてみると、ダイニングテーブルに突っ伏して眠るサラを見つけた。
そしてテーブルの上には、美味そうな料理が2人分並んでいる。
食べずに俺が帰ってくるのを待っていたのか…
「サラ…サラ?」
ユサユサと肩をゆすってみると、サラは唸り声を上げながらゆっくり身体を起こした。
「うーん…ん…秀一!おかえりなさい!」
サラは目を開けて俺を視界にとらえるや否や、すぐにぱあっと笑いながら俺に抱きついてきた。
「サラ。先に食べていていいんだぞ?」
「んー。でも、一緒に食べた方がおいしいよ?」
「…すまないな。いつも、待たせてばかりで」
「なんで謝るの?秀一が忙しいのなんて、百も承知で結婚したんだよ?
温め直すから座ってて?
あ、そうだ。今日ね…」
心底申し訳なく思う俺の心を軽くするかのように、サラは明るく今日の仕事であった出来事を楽しそうに話してくれる。
こうしていつも、サラは俺の気持ちを軽くしてくれるんだ。
そして癒される。
2日会えなくても、1日サラの笑顔を見れば身体の疲れは一瞬で吹き飛ぶ。
今の俺は、サラ無しでは到底生きて行けそうにもない。
サラが作ってくれた夕食を2人で向かい合いながら食べ、シャワーを交代で浴びると、2人きりの夜の時間がやってくる。
俺がベッドルームに向かうと、サラはベッドでスマホを触っていた。
「サラ。何を熱心に見てるんだ?」
「お義母さんと連絡取ってたの。
カフェのお休みが取れたら、ロンドンに遊びに来ない?って言われてて」
「…俺には連絡よこさないくせに…」
あの一筋縄ではいかない母さんとも打ち解けているサラ。
すっかり、赤井ファミリーの一員で何なら俺より馴染んでいる気がしてならない。
俺のことはそっちのけで母さんとメッセージのやり取りをしているサラを見ていると、少しだけ妬けてきた。