第83章 最終話　You belong with me ☆

ふぅ。とため息を吐きながら、コーヒーマシンをチェックすると、豆が残り少ない。


「補充しなきゃ」


豆を置いているバックヤードに向かい、棚に手を伸ばして袋を取り出した瞬間、


「っ…」


頭がクラクラッとふらついて、立ちくらみを起こした。


「…寝不足かな…昨日遅くまでメニュー考えてたから…」


自分の体調にあまり関心がないわたし。
そんな独り言を呟き、コーヒーマシンに豆を補充した。



＊
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赤井side


「じゃあ、これとこれの調査、明日までに頼む。
俺はこっちを自宅で調べておくから。お疲れ」

「お疲れ様です！」


キャメルに事件の資料をもとに指示を出した俺は、局のデスクを後にした。

駐車場に停めてある愛車に乗り込むと、腕時計で時間を確認した。


「もう22時…」


今日は早く帰ろうと思っていたのに、結局この時間だ…

はぁあとため息を吐きながら車を走らせ、俺はサラが待つ自宅へと急いだ。


FBI本部から車を走らせ20分。
サラが働くカフェへは地下鉄で15分と徒歩5分。

ワシントンdcの中心部にあるアパートの15階で、俺たちは2人で暮らしている。

多忙を極める俺が、少しでもサラが待つ家に帰れるようにと、予算をオーバーしてこの物件を借りたものの、現状3日に一度帰宅できていれば良い方だ。

日本で一緒に暮らしていた時よりも、寂しい思いをさせてしまっているな…