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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第82章 ひまわりの約束 ☆




赤井side

ここに来ることを決めた時、1人で来るかサラを連れてくるか、最後の最後まで迷った。

宮野明美を救えなかったことを心に楔として残している俺の姿を、サラに見せたくない。
何より、サラが嫌がるだろうと思っていたからだ。

もともとサラは、可愛いぐらいにヤキモチを妬くし、過去の恋愛のことで喧嘩したこともあるぐらいだから。

墓前に立ち、これが宮野明美の墓だと伝え、サラが泣いているのを見た時、やっぱり嫌だよな…
そう思ったが、泣いていた理由は違っていた。

組織に利用され、俺に利用され、始末された彼女は死んでもなお、墓標に名前を刻むことすら許されない。
その事実に、心を痛めて泣いてくれたんだ。

以前のように嫉妬しなくなったのは、夫婦になったことでより絆が深まったのだろう。
嬉しくもあり、ほんの少し寂しさもある。


ひまわりの花束を供え、手を合わせた後サラの手を引いてマスタングに戻ってくると、サラは俺に笑いかけた。


「きっと、明美さん喜んでるね。
ひまわりみたいな人なんて、最高の褒め言葉だもん」


そんなサラが可愛くていじらしくて、俺は思わず彼女の髪を撫でた。


「秀一?」

「お前は俺にとって、999本の赤い薔薇だ」

「薔薇??どうして?999本?
あ!わたしが薔薇みたいに美しいから?ふふふ」


ワザと自信過剰なフリをして笑うサラに、俺は口を塞ぐみたいにキスを重ねた。

お前が1番だって、真剣に伝えたいと思ったから。


ゆっくりと唇を離すと、999本の薔薇の意味を伝える。


「999本の赤い薔薇の花言葉は、
何度生まれ変わっても、あなたを愛する」

「っ…。素敵だね…嬉しい」


サラは涙を浮かべながら俺を見つめた。
その涙を指で拭ってやると、くすぐったそうに目を閉じる。

その仕草も、愛しい。


「次も、一緒に連れてきてね」

「あぁ。必ず」


指を絡めて約束をすると、俺は車のエンジンをかけ、帰路についた。






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