【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第81章 恋人じゃなくなった日 ☆
プールに秀一を突き飛ばした後、自分もドレス姿で飛び込んだ。
秀一は両手いっぱい広げて、わたしを抱き留めてくれた。
飛び込んだ先にあった逞しい腕の中が、これから一生わたしを癒してくれる魔法の居場所。
そしてわたしはこの先一生、全身全霊をかけて秀一を癒せる存在であり続ける。
そんな強い思いの乗ったキスを交わした。
「んっ…」
夕陽が温かいせいか、秀一の唇が少し熱くて思わず吐息を漏らし、彼を見つめた。
「ドレス、ベタついて気持ち悪い…」
「お前が自ら飛び込んだくせに」
水に濡れてレースが肌に密着するのが少し不快で眉を顰めたわたし。
秀一はため息を吐きながら、わたしの背中のドレスのファスナーを下げた。
「や…っ!脱がない!」
「ダメだ。もうおしまいにしろ。
どの道こんなに濡れているドレス、プールから出たら脱がなければいけない羽目になる」
そう言われ、確かに…と対抗することをやめたわたし。
ファスナーが開いていくにつれ、わたしのシンデレラの魔法が解けていく感覚がしてせつなくなった。
「あーあ…もう結婚式終わりか…
お姫様気分もここまでね」
しゅんと下を向くわたしの頬を秀一の掌が覆う。
「ドレスを着ていなくても、お前はいつでも俺のプリンセスだ」
「っ…!そ、そんなキザな台詞、真顔で言わないで…」
不覚にもドキッと心臓が鳴って顔が真っ赤になった。