【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第81章 恋人じゃなくなった日 ☆
赤井side
やっとこの日を迎えることが出来た。
サラに勢い任せのプロポーズをしてから1ヶ月間も放置した理由はこういうことだ。
この1ヶ月の間に結婚指輪を作り、帰国してマリッジライセンスを取得し、挙式の段取りをしながらもちろん仕事も普段通りにこなした。
削る時間はもはや睡眠時間と、起きている間のサラと過ごす時間しか無かった。
その甲斐あってか、サプライズは大成功。
まさに今、挙式を終えた俺たちはチャペルの隣の別荘に入り、テラスに出て腰を下ろした。
「すごいね、この別荘。
テラスにプールもある!」
未だドレスを着たままのサラ。
嬉しそうに辺りを駆け回っている。
「いつまで着ているんだ?そのドレス」
「だって脱ぎたくないんだもん!
今日だけしか着れないから…」
サラはドレスの裾を掴みながら、まるで拗ねた子供のように言った。
「夜はお待ちかねの天体観測だ。
その格好で星を見るのか?」
「ロマンチックでしょ?」
ふふっと笑いながら俺の隣に腰を下ろしたサラ。
メイクもヘアスタイルも、いつも可愛いのは間違いないが、今日は一段と美しくてついつい見惚れてしまう俺。
じーっとサラの横顔を見つめていると、その視線に気づいたサラが首を傾げた。
「どうしたの?」
「綺麗だよ」
少しの躊躇いもなくそう言う俺に、サラは顔を真っ赤にして俯いた。
「嬉しい…けど、恥ずかしい」
「いつも言ってるだろう?」
「言ってないよ!綺麗なんて」
そうだったか?と思い返してみると、確かに可愛い可愛いと愛でていることはあっても、綺麗だと改めて言うのは意外と少なかったりする。
当たり前すぎて、言葉に出していなかったな…