【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第81章 恋人じゃなくなった日 ☆
誓いの言葉なんて考えてきていなかったわたし。
今、心に浮かんだ感情を言葉にして伝えよう。
そう思い、口を開く。
「赤井さ…秀一。」
赤井さんと呼びかけたあと、ふと思った。
そうだ。もう今日でわたしは赤井サラになるんだ。
結婚式を挙げたら、秀一って呼ぶ!
なんて言ってたけど、それがまさに今現実になった。
秀一と呼ばれた彼は、嬉しそうに微笑んでくれた。
わたしは、誓いの言葉の続きを音にしていく。
「ひとりぼっちだったわたしに、居場所をくれてありがとう。
どんな時でも、わたしのことを1番に考えてくれてありがとう。
こんなわたしのことを好きだと言ってくれてありがとう。
何度ありがとうと言っても足りないぐらい、もらってばかり。
妻として、この先ずっと秀一が1番安らげる場所がわたしの隣であるように、ありったけの愛で癒せる存在であり続けると誓います。
I love you too.
わたしも、愛してる」
多分、たったこれだけの言葉じゃ全然足りないほど、秀一はわたしにとってかけがえのない存在だ。
もっと上手に伝えられたらいいのに。
そしてもっと上手く愛することができたらいいのに。
そう思ってもうどのぐらい時間が過ぎただろう。
きっとこの先もずっと、言葉じゃ伝えきれない思いを彼に届け続けるんだろう。
家族という、かけがえのない存在となった秀一に。
「では、誓いのキスを」
その一言とともに、秀一がわたしのベールを上げた。
視界が開けて、秀一の顔がより鮮明に見えた。
少しだけ、目に光るものが見えたことも。
そして、彼の唇がわたしの唇に重なる。
何度も、何十回もしているキスだけど、今日は特別だ。
何にも変え難い、きっと一生忘れることのないキス。
あなたと生きてゆく。
そう誓う、始まりのキスだ。
ゆっくりと話し、見つめ合うと秀一がもう一度言った。
「愛してる」
ああ、きっとこの愛してるも、一生忘れられない宝物。
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