【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第81章 恋人じゃなくなった日 ☆
赤井さんに手を引かれてJALのチェックインカウンターで驚きの行き先を知らされる。
「コナ行の770便にご搭乗の赤井様、桜井様ですね」
「コナってハワイ?!しかもハワイ島?!オアフ島じゃないの?!」
「お前、前に言っていただろう?ハワイの星が見たいと。
オアフ島よりハワイ島の方が天体観測に適している」
「へえー!そうなの?楽しみ!
…って、え?!突然天体観測?!」
ギャグみたいなノリツッコミを繰り出すわたしと、淡々と手続きを進める赤井さん。
そんな彼から受け取った搭乗券には
BUSINESS
の文字が。
「わたし、ビジネスクラス初めて!!!!!!!」
「ホォー。それは良かった」
「ご飯とか美味しいんでしょ?
座席がベッドになるんだよね?!
えー!楽しみ!!」
初のビジネスクラス搭乗という事実に、さっきまでのなぜハワイ?は頭から抜け落ちたバカなわたし。
赤井さんも隣で 単純なやつ という目をしてわたしを見てた。
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8時間後
「…全然堪能できなかった…」
無事にコナ空港に到着し、入国審査をパスしたわたしはローテンションで赤井さんに言う。
赤井さんは首を傾げながらわたしの髪を撫でた。
「フルフラットの座席でぐっすり眠っていたじゃないか。飯も残さず完食していたし」
「ちがうの。もっとビジネスクラスならではのサービスを堪能するはずだったの…
それが、美味しい機内食を食べたら一瞬で眠くなって…到着まで爆睡なんて…」
もっと映画見たり、お酒飲んだりしたかったよーー!と、嘆くわたしを、ハイハイと言いながらポンポンと頭を撫でてあやす赤井さん。
そんな彼はスマートにタクシーを捕まえると、行き先を運転手さんに伝えた。
「ほら、行くぞ。
帰りもビジネスだ。そこで挽回すればいい」
「ほんと?!
行きも帰りもビジネスって、セレブ旅行だね…」
「今回の旅は特別だからな」
またそんなふうに意味ありげに笑った赤井さん。
なんだろう?特別な旅?
なんて、彼の不敵な笑みに首を傾げたわたし。
けれど大人しくタクシーに乗り込むと、窓から見える移りゆくハワイ島の景色に目を奪われて、案の定そんな疑問なんて全部吹っ飛んでいた。
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