【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第10章 first love ☆
赤井side
「あっぶねぇ。サラさん勘良すぎ」
慌てて車で曲がり角を曲がり、サラが振り返った時には姿を隠すことに成功した。
「まあ、元諜報員だからな」
車を運転しながら余裕をこいてそんなことを言っていると、ボウヤが俺を挑発するような目で言う。
「沖矢さんは、大人だから合コン行くぐらいで怒らないって。サラさんが」
「ん?」
「さっき、咄嗟に園子ねーちゃんの上着のポッケに盗聴器を仕掛けておいたんだ」
合コンと知ったのは彼女らが出かけた後だというのに、その前から仕込んでいたとは、余程彼女のことが気になるのか。
もはや自分の正体は工藤新一だと言っているようなものだが。
「大人だから、怒るんだがな。」
まだ余裕を見せてそんな風に言うが、無意識にアクセルを踏む力が強くなり、徐々にスピードが上がって行く。
サラ達を追い越さないよう車で尾行し、無事着いたレストランは男だけではとても入りづらい雰囲気だ。
「くっそー。
灰原にもついてきて貰えばよかった」
やらかしたーと頭を掻くボウヤを見ながら、そうすると俺の元恋人の妹と一緒に、今の恋人の合コンの様子を息を潜めて監視する。という何ともややこしい構図になってしまうから、どちらかと言えば呼ばなくて正解だ。と思った。
「子供連れでまだ良かったよ。入ろう」
「赤井さん…物おじしないよね本当に」
そう言ってそのカフェレストランに入り、ちょうどサラたちが座っている席の後ろの植木の影の席を確保することができた。