【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第80章 Marry's Song ☆
赤井side
俺も一緒に入る。
そんなワガママを言った俺。
恥ずかしいから嫌だと難色を示すサラを諭して、半ば強引に一緒に湯船に入った。
俺の目の前にいるサラは相変わらず俺に背中を向けて湯船に浸かっていて、俺は思わずその背中を指でなぞる。
「きゃっ!なに?!」
「…問題」
「ん?問題??」
首を傾げるサラの右手を握り、薬指にはまった指輪を撫でながら尋ねた。
「俺がサラにこの指輪を渡した場所は?」
突然始まった俺の出題に、サラは何で今急に?と戸惑いながらも答えを出した。
「米花水族館の観覧車」
「正解」
あぁ、やっぱりちゃんと思い出してくれたのか…
俺はたまらなく嬉しくなり、サラの身体を後ろから抱きしめた。
ぱしゃ…と湯が揺れ、サラの肌と俺の肌が密着する。
「石、ついたやつ買ってやると言ったのに、用意もせずプロポーズしてしまったな」
「そんなのいいよ!
…嬉しかった。完璧主義の赤井さんが、なりふり構わず心のままに結婚しようって言ってくれて」
サラはそう言って幸せそうに笑うと、抱きしめている俺の腕をきゅっと掴んだ。
「秀一」
「え?」
「結婚するんだ。もう、下の名前で呼んでくれ」
耳元にキスをしながらそうねだると、
サラは自分の腕で身体を隠しながら、俺の方を向いた。
「…そうだね。そうだよね。
じゃあ、呼ぶね?」
ぱしゃ…と湯が揺れたあと、顔を赤くしたサラが俺を見つめて言う。
「秀一?」
「…っ…」
思った以上の破壊力に言葉を失う俺。
そんな俺を見て、サラはさらに恥ずかしそうに顔を赤くした。
「赤井さんが照れないでよ!」
「あ。」
「?」
俺が一言挟んだのが腑に落ちないサラは首を傾げた。
そんな可愛い彼女を、また後ろから抱きしめると耳元で少し低い声で言う。
「赤井さんじゃなくて秀一だ。
…お仕置きだな」
お仕置きなんて、サラに触れるための口実だ。
けれど、これで堂々と愛でることができる。