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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第79章 約束のカケラ




「無い…無いよお…」


指輪を探し始めてから1時間以上が経過した。

小さい洞窟だから、ここにあるならすぐに見つかるはずだけど無いってことは、砂浜に落としたのかな…


「砂浜って…果てしない。
見つからないよ絶対…」


半泣きになりながらもとりあえず夜通し探そう。
そう決めて洞窟を出ようとした時、来た時は膝丈だった海水がいつの間にか深く深くなっている。


「やば…満潮?!」


最悪過ぎる。
指輪が見つからないばかりか、これじゃ帰れない。

自分の馬鹿さ加減にほとほと嫌気がさす。

っていうか、これじゃ砂浜に落としたとしても波にさらわれて今頃海の中だ…


「…うそ…」


わたしはその場に座り込んだ。
あの指輪を無くし、そしてもう二度と見つからないと言う事実が自分が思っている以上に心を砕いた。

目に涙がじわりと浮かび、こぼれ落ちた時思った。

あの指輪がこんなに大切なのは
あれをくれたのが…


そんなとき

ヴーーーーン
ヴゥーーーーン


モーター音が遠くから聞こえて来て、徐々に大きくなる。
何か来る…?!
そう思った時、洞窟の入り口にザバッッと波が立ち大きな声がした。


「サラ!!」


「っ…赤井さん…」


そこにいたのは、赤井秀一。
涙をボロボロこぼしているわたしに近づいて来た彼は、わたしをぎゅっと抱きしめた。


「いた…探したぞ」


抱きしめられた時、心底ホッとした。
そして同時に思った。
この感覚、覚えがある。と。


「膝、傷だらけじゃないか」

「っ…指輪落としたの…探したのに見つからないの。
大切なのに、失くしちゃったの…」


そう言葉にするとどうしようもなく涙が溢れ出て、わたしは赤井さんの前で子供みたいにわんわん泣いた。


「泣くな」

「だって!砂浜に落としたとしたら、もう絶対見つからないよ!
今頃波にさらわれて海の魚に食べられてる…!」


まるで子供みたいに怒るわたしの目の前に、赤井さんがスッとあるものを差し出した。

そこにあったのは、失くしたと思っていたわたしの指輪。


「え…何であるの!?」

「クーラーボックスの中に紛れていたと博士が届けに来た」

「な…なんだ…」


ひょんなことから見つかったので、わたしは一気に身体中の力が抜け、倒れそうになるのをなんとか踏みとどまった。


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