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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第79章 約束のカケラ




赤井side


「ねえ、あなたちょっと過保護すぎないかしら?」

「え?」


サラが子供たちを迎えに行った後、灰原哀が俺をジトーっと眺めながら言った。


「彼女のこと、そんなに心配なら首輪でもつけておけば?」

「首輪って灰原お前…」

「首輪か。…なるほど、それはいい案ですね」

「えっ!昴さん!?」


俺と灰原哀に挟まれたボウヤの百面相が面白い。

もっとも、首輪をつけたいと言うのは実は本心だったりもする。
サラを四六時中目の届くところに縛っておけたらいいのに。
今まで何度そう思った事か。
そしてそれは、記憶を失ってからさらに強く思うようになった。

あの時、首輪をしていれば今頃サラは相変わらず俺との思い出を話しながら、またあそこ行きたいね。なんて笑っていたんだろうか。


「過保護すぎるとウザがられるわよ。」


相も変わらずサラのことばかり考えている俺を見透かしてか、ズバッと切り捨てていく灰原哀。

そんなとき、サラが子供たちを連れて戻って来た。

「ただいまー!あれ?何の話してたの?」


何も知らずにそう尋ねるサラに、灰原哀は少しもオブラートに包むことなく、さっきの話の内容をサラに伝える。


「あなたの彼氏、あなたに首輪付けたいって言ってたわよ」

「くっ、首輪?!」

「ええー!お姉さんはわんちゃんじゃないよー?」

「そうですよ!人間に首輪なんてしちゃいけませんよ!」


驚いて目をまん丸に見開くサラに、純粋に俺に注意してくる子供たち。

可愛く詰め寄られる俺を気の毒に思ったのか、ボウヤは灰原哀を窘める。


「お前なあ、昨日の試合でBIGが負けたからってんなカリカリすんなよ」

「あら。見てるとイラつくのよね。江戸川くんみたいなラブコメ野郎がもう1人いるなんて」


仮にもFBI捜査官で、クールかつミステリアスで通ってる俺が、まさかラブコメ野郎とはな

自分につけられた代名詞が普段の自分とはかけ離れていると感じつつも、過保護だと言われたことは特段反論できない俺だ。


「ねえ、首輪ってどういうこと?」

「いや、何でもない。
BBQを始めよう」


状況を理解していないサラをよそに、子供達の腹の虫が鳴るのと共にBBQが開始となった。


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