第79章 約束のカケラ

そしてキャンプ当日。

鈴木財閥のリゾート施設である、海辺のコテージの前に立ったわたしはあんぐりとその建物を眺めた。


「すご…ここに泊まるの？」


まるでギリシャのエーゲ海に立ち並ぶ建物のように、真っ白な壁に真っ青な屋根のコテージ。

そしてそのコテージが立ち並ぶ場所のすぐ目の前は真っ白な砂浜に真っ青な海。

BBQも出来るらしいけどこれはもうキャンプというより、まさにリゾート。

さすが鈴木財閥…
そしてその鈴木財閥を味方に持つこの子達は勝ち組だ…

と、少年探偵団の面々を眺めた。


「さ、荷物を置いてBBQの準備でもしようかのう。
すまんが昴くんとサラくん、手伝ってくれるか？」

「勿論です」


ということで、大人はBBQの準備、子供たちは準備が出来るまでは自由時間。ということになった。


「じゃあ、わたし食材切って行くね」

「じゃあ、僕と博士は火の準備を」


そう言ってテキパキと準備を進めるわたしたちを見て、飲み物を取りに来た歩美ちゃんと光彦くんが言う。


「昴のお兄さんとサラおねえさんって、結婚しないの？」

「け、けっこん！？」


子供の純真無垢などストレートな質問に、わたしは思わずたじろいだ。
その隣で平然と炭に火を起こす沖矢さん。