【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第78章 彼方まで光を ⭐︎
「わたし、あの日…ジンに攫われたの。」
「…」
「わたしの両親を殺したのは、ジンだった」
「そうか…」
サラが長年追っていた両親の仇。
皮肉なことに、それがジンだったのか…
「それと…ジンに組織に戻らないかと言われて…
…怒らないで聞いてくれる?」
「大丈夫だから。言ってみろ」
「媚薬を飲まされて…っ…何度もジンに触れられて…感じた…最後まではしなかったけど…でも…口でもさせられて」
「…」
俺のサラを抱きしめる力が無意識に強くなる。
俺の大切なサラに触れたのか。
そう思うだけで殺意すら湧いてくるんだ。
サラは涙声を震わせながら続けた。
「わたし、最低なの。
そのことは思い出したくせに、赤井さんとのことは未だに思い出せない」
「なんだ。そんなことか」
「そんなことって!最低って言ってよ…
罵って欲しい…じゃないと罪悪感で潰されそうなの…」
苦しそうに、辛そうにそう嘆いたサラの頬に触れながら、俺は尋ねた。
「ジンに触られている時、嬉しかったのか?」
「っそんなわけないよ!嬉しいはずない!
嫌だったよ…すごく嫌だった」
「なら、最低じゃない」
「え?」
丸くした目から、涙がポロポロと溢れている。
俺はそれを拭いながら続けて言う。
「身体は薬の作用で感じていても、心は奪われていないだろ?」
「っ…」
「何も変わらない。サラのままだ。」
「赤井さん…っ…」
俺の言葉を聞いたサラは、もう一度俺の胸に擦り寄り、頭を撫でると顔をあげて俺の唇を奪いにきた。
サラらしい、ちゅ…と重なるだけのキス。
それでもいつもより長く、サラにしては珍しく何度も角度を変えて唇を重ねた。
「サラ…」
「大好き…
なんて、説得力ないかな?」
「いや?十分伝わっているよ」
「…もっと伝えたい」
そう言ってサラはソファーから立ち上がると俺の手を握った。
「こっちきて?」
手を引いて連れてこられたのはベッドルーム。
俺の身体をベッドに押し倒した後、サラは俺の身体に跨った。
「今日はわたしが赤井さんをいただくの」
そんな大胆な言葉を放って、自分が着ていた服を脱ぎ始めた。
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