【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第78章 彼方まで光を ⭐︎
赤井side
家に帰りたくないと駄々をこねるサラを無理矢理自宅まで連れて帰ってきた。
リビングのソファーへ降ろしてやると、サラは不自然なぐらいパッと目を逸らす。
そして、いきなり突拍子もないことを言い出した。
「…わたし、ここを出ていく」
「…理由は」
「言いたくない」
そう言って黙り込むサラ。
まるで、出会って間もない頃のようだ。
俺はサラの頭を撫でながら、俯く顔を覗き込むようにして言った。
「言いたくないじゃ、わからないだろ」
「言ったら、わたしのこと軽蔑するよ」
その言葉を聞いて、俺は妙に懐かしくなった。
この言葉をサラから聞くのは、二度目だから。
「…お前は覚えていないかもしれないが、前にも全く同じセリフをお前から聞いたことがある。」
「え…」
「その時聞かされたのは、昔ジンと関係を持っていたことだ。
一度ではなく、何度も」
「…っ…」
サラは、眉を下げて再び俯いた。
俺はそんなサラを両手で思い切り抱きしめた。
一瞬、びく…と身体をこわばらせたサラ。
俺はそんな彼女の耳元で続けて言った。
「その時、俺は何と返事をしたと思う?
…許さないから、一生俺のそばにいろ。
そう言ったんだ。」
その言葉を聞いて、サラは少しだけ身体を離して俺の顔を見た。
涙で赤くなった目を指で拭いながら、俺はサラの瞳を覗く。
サラの瞳の中に俺が映っているのが、たまらなく嬉しいから。
「何があっても、お前を手放さないと決めているんだ。
だから、俺を信じて話してくれ」
「っ…嫌いにならない?」
「ならない」
「…じゃあ、ぎゅってして?」
両手を開いて甘えるようにそう言うサラの身体を、俺はもう一度力一杯抱きしめた。
先ほどとは違い、サラは全身を俺に預けて安心しているように俺の胸に頬を寄せた。
そして、静かに口を開く。