【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第78章 彼方まで光を ⭐︎
キャメルさんの家に到着して、1時間ほど経った。
相変わらずソファーの上で膝を抱えているわたし。
その時
ピンポーーン
インターフォンが鳴り、誰かが尋ねてきたようだ。
「はいー」
誰が来たのか確認しなくても分かっている様子のキャメルさん。
モニターを一度も見ることなく、出迎えようと玄関に向かった。
ジョディさんかな…?
そう思いながら玄関の方に目をやるとそこにいたのは
「っ…赤井さん…」
「サラ。帰るぞ」
どうして赤井さんが?!とキャメルさんを見ると、キャメルさんは申し訳なさそうに頭を掻いた。
「すみません、ですが赤井さんに連絡した方が絶対いいと思ったので」
「っ…帰らないって言ったのに!」
何一つ悪くないキャメルさんを怒って睨むわたし。
そんなわたしを見た赤井さんは呆れたようにため息を吐くと、ソファーに座って動こうとしないわたしの身体をヒョイっと担ぎ上げた。
「えっ!?ちょ、ちょっと離して!」
まるで捕獲されたかのような抱き上げ方に、ジタバタと動いて抵抗してみるも、180センチほどある高さから落ちると自分も危ない。
すん…とおとなしくなったわたしは、諦めて赤井さんに連行される道を選んだ。
「すまないな、キャメル。迷惑をかけた」
「いえいえ。では、また何かあればご連絡ください」
もうキャメルさんには頼まない…
と心で返事をしながら、わたしの身体はマスタングの助手席にシートベルトで固定され、結局2人で住む自宅へと強制送還された。
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