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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第78章 彼方まで光を ⭐︎




その瞬間、わたしはキャメルさんから部屋のカードキーを奪い、走り出した。


「ちょ!サラさん!」


ジンとウォッカに見つかる危険を犯しても、わたしはその部屋の前まで走ると、カードキーを差し込んで中に入った。

キャメルさんが焦って追いかけてくるのをよそに、わたしの視界にホテルの部屋が飛び込んでくる。


「あの日…ここで…」


ジンに…触れられて貶められた…何度も

ジンがわたしの両親を殺したと言った…

ジンに、組織に戻ってこいと…


思い出した。
あの日のことが記憶のアルバムを捲るように次々と鮮明に頭の中で蘇ってくる。


「サラさん、危険ですよ!突然走り出して…
幸い、奴らにはバレていないようですが…」

「…赤井さんのこと、思い出せない」

「え…」


あの日自分に何があったか?
それは思い出したのに、赤井さんとの思い出は何一つ蘇ってこない。

だけど、彼を忘れてしまった理由は分かった。

ジンに触られて感じてしまった事実が、恋人だったであろう赤井さんに知られたくない。
そう強く思ったからだ。

事実、今のわたしも思ってる。

赤井さんのところに戻れない…
わたしあの日、ジンに何度も触られて感じで、イかされて、喘いで…


「サラさん…?」

「赤井さんのところに、戻れない…」


それだけ言って言葉を失ったわたしは、その場で泣き崩れた。

困惑するキャメルさんの前でひたすらに泣いて、壊れた人形のように繰り返しつぶやいた。

赤井さんに合わせる顔がない。
もう、一緒にいられない。

目を背けてきた醜い自分を再認識させられた。

ジンはわたしの両親を殺し、かつての初恋の人を殺した。

そんな憎むべき相手と過去に身体を重ねていて
そして今も身体が反応した。

黒いシミは簡単に消せないほど、わたしの身体に滲んでいたみたい。



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